江戸時代と令和の観葉植物文化
ポインセチアの育て方を解説

e-花屋さんは、
江戸時代に大流行した園芸文化を、観葉植物でもう一度再燃させたい
ということをミッションに掲げ、歩んでます。
それが先日、e-花屋さんサイト内で行われた「JAPANポトスサミット」で近づいた気がします。今後さらに進展させるためにも、ブログで整理しておきます!

江戸時代に浸透した日本独自の園芸文化

江戸時代で植物が親しまれている絵
江戸時代では様々な人が植物を楽しんだ(AIから生成)

江戸時代の歴史的背景

徳川家康が1603年に征夷大将軍に任官されてから、慶喜が1867年に政権を返上するまで。江戸時代は約260年間も続きました。そして江戸時代の大きな特徴として、

(大きな戦乱がなく)平穏な世の中であった 
ことがあげられます。

安定した時代であったため日本は社会的、経済的、そして文化的にも大きな発展を遂げました。文化面で「園芸」はとくに人気が高く、熱狂があったと記録にあります。

江戸時代での園芸文化
江戸の園芸文化の中では特に観葉植物が人気(AIから生成)

江戸時代の園芸文化の特徴

江戸時代の園芸の文化、最大の特徴は
植物を愛でる心は「身分を超えて多くの人々に大切にされてた」ことだと思います。
下記のような文献も残ってます。

公家や将軍家をはじめ多くの武家から一般庶民にまで老若男女問わず一大ブームとなったのが園芸である。


盆器を考える 田中本家博物館の盆器コレクション

「平和」と「植物」があれば、地位や年齢関係なく、共通な話題が生まれる・・・
私は江戸時代の園芸文化に興味を惹かれ、植物販売店(e-花屋さん)として何かできないかと考える様になりました。

「植物を愛でる文化」を伝えるタグ
江戸園芸文化再燃、e-花屋さんの取組み1

また、江戸の園芸文化のもう一つの大きな特徴して、
「植物を育てるだけでなく、美しさ、色の変異などを重視する芸術形式」があったと言われてます。

「奇品」としての珍重された植物

マツバラン
マツバラン(松葉蘭)

「生きた化石」と称されたマツバラン(松葉蘭)

江戸時代の園芸は「異品・奇品の栽培」で知られ、英国人ロバート・フォーチュもその技術を称賛していました。特に、寛政時代から珍重されたマツバランなどは巨額で取引され、「生きた化石」とも呼ばれています。(当時の図譜『草木奇品家雅見』や『草木錦葉集』は、これらの植物の多様性を示しています)

江戸時代に流行したカラタチバナ
江戸時代に多くの園芸種が作られたカラタチバナ

カラタチバナ(唐橘)

カラタチバナも、江戸の園芸文化を物語る代表植物のひとつ。その珍しい形や色合いで人気があり、当時の人々によって熱心に栽培されていました。このような植物は、現代人の目には地味に映るかもしれませんが、当時は非常に価値があるとされ、一鉢に数千万円から一億円相当の価値がつけられることもありました。江戸時代の園芸家たちは、こうした珍しい植物の栽培と収集に情熱を注ぎ、その技術は現代にも引き継がれています。
(カラタチバナは江戸時代に多くの園芸品種がつくられ、明治までには100品種もあったと言われてます)

オモト(万年青)

「オモト(万年青)」も、江戸の園芸文化を象徴する存在。様々な斑模様や葉形で人々を魅了し、江戸の好事家たちにより熱心にコレクションされ、育成されました。これらの植物は、当時の高い園芸技術と日本の自然観の反映であり、現代にもその価値を留めています。実際オモトは「縁起植物」として、昭和~平成の頃までは「新築祝いの観葉植物」として高い人気を誇ってました。

ただ残念なことに、令和になってからは花市場でオモトを見る機会はぐっと減りました。マツバランにしかりです。
ですが「斑入りや葉変わりの観葉植物に情熱を注ぐ」園芸文化、途絶えた訳ではありません。植物は違えど、新しく美しい植物が、次々生まれてきてます。

江戸から令和へ。ポトスサミットで感じた「熱狂」

江戸文化を引き継ぐ葉変わりポトス
ポトスとは思えないような葉の形(ポトスシャングリラ)

2023年10月5日、e-花屋さんのサイト内で「ジャパンポトスサミット」が開催されました。「ポトスだけで集客する」という、日本初の試みです。

会場には変わった斑入りのポトスや、ポトスとは思えない葉変わりの品種など23品種のポトスが集合。江戸時代には色んな品種のオモトがありましたが、それを「ポトス」で再現したようなイメージです。

ジャパンポトスサミットの風景

また令和らしく、WEBサイト会場にはYouTubeを設置。
「変異なポトスがどのように生まれたのか」ストーリーが、一般の人にも伝わるように心がけました。

江戸時代の園芸文化の大きな特徴として「身分や年齢を超えて、多くの人が楽しんだ」ということがあります。
変異な植物を愛でる・・・こういった世界は昭和でも、平成でもありました。ですが、マニア(一部の人だけの)世界だった気がします。それを「ポトス」という初心者向けの植物で、YouTube(動画)を使って世界感をシェア。結果、ポトスサミットにはマニアだけでなく大変多くの来場があり、「熱狂」を感じました。

今回はポトスでしたが、今度は他の植物で同様のイベントを開催してみたいと思います!是非、ご期待くださいね!

ジャパンポトスサミット>> e-花屋さんへ
店長古永

この記事を書いた人
古永 崇 | e-花屋さん店長

園芸店に勤めて20年。e-花屋さんの立上げて15年となります。
消費者視点を忘れずに、疑問に思うことなどを掘り下げ研究中です!「初心者を中級者に引き上げる」のがe-花屋さんのミッションです!
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