
スタッフ小西からのワンポイントアドバイス
アスプレニウム・エメラルドウェーブってどういう植物?
エメラルドウェーブは、数あるアスプレニウムの品種の中でも美しさと育てやすさのバランスが取れた優秀な品種。
基本的な育て方や特性を知ることで、お部屋の中でも元気に成長してくれます。あなたのお部屋で、エメラルドウェーブが元気に育つための具体的な判断基準を含めお伝えしていきます!
アスプレニウム・エメラルドウェーブとは

波打つような葉の形が美しい「アスプレニウム・エメラルドウェーブ」。
福岡の名門・杉本神龍園が苦労の末に生み出した美しいシダです。
誕生秘話は、なんと明治時代にまで遡ります。
杉本神龍園二代目・春男氏が植物収集をしている際、見たことのないシダを発見。そこからそのシダを何度も何度も育種選抜を繰り返し、30年以上をかけようやく生まれたのがこのエメラルドウェーブ。
世界最大の園芸見本市で金賞を受賞し、今ではアスプレニウムを代表する品種のひとつとなりました。 当店でも人気の高い、優秀なインテリアグリーンです。

そもそも「アスプレニウム」って、どんな植物?

アスプレニウムはチャセンシダ科に属するシダ植物の仲間で、日本でもタニワタリという名前で親しまれている植物の近縁種です。
シダ植物と聞くと「湿気が多くてジメジメした場所が好き」「乾燥ですぐチリチリになる」という難しいイメージを持つかもしれません。
しかし野生のアスプレニウムは、岩や木の幹に根を張って生きる習性を持つ”着生植物”です。そのため乾燥にも比較的強く、難しいと言われるシダ植物の中では比較的育てやすい種類になります。
中心から放射状に葉を広げる姿は鳥の巣のようで、海外では「バーズネスト・ファーン(鳥の巣のようなシダ)」とも呼ばれています。
アスプレニウムの基本的な育て方

育てる上で最も大切なポイントは2点。
- 直射日光を避けた、明るい日陰
- 極端な乾燥を避けたメリハリのある水やり
まず置き場所ですが、レースのカーテン越しの柔らかな光を好みます。強い光は葉の色を褪せさせる原因になるため、直射日光は厳禁です。
ただし、シダ植物の中では明るい光にも強い傾向があります。同時に、耐陰性もあるため置く場所の選択肢は広いです。ただし、暗すぎる環境では次第に弱ってしまうので、週に2-3回は明るい場所に移動して優しい光に当ててあげると良いでしょう。
水やりは土の表面が乾いたらたっぷりと与えるのが基本ですが、冬場は成長が止まるので回数を減らして乾かし気味に管理します。
またシダ植物の仲間なので葉に霧吹きをする「葉水」をしてあげると、病害虫を防ぎながら艶のある美しい葉をキープできます。肥料は春から秋の成長期に緩効性の固形肥料を置くだけで十分です。
エメラルドウェーブと他のアスプレニウム品種の違い

園芸店でよく見かける従来のアスプレニウムと比較すると、エメラルドウェーブの際立った特徴がよく分かります。顕著な違いは「葉の硬さ」と「ウェーブの立体感」にあります。
従来種は葉が薄く柔らかいものが多く、乾燥すると葉先が垂れ下がったり傷みやすかったりする弱点がありました。一方でエメラルドウェーブは葉に厚みがあり硬くしっかりしているため、乾燥しても形が崩れにくいという強みがあります。
またフリルのような波打ち方が非常に細かく、特徴的なエメラルドグリーンの葉色も相まって、近くで見ても遠くで見ても絵になる造形をしています。
エメラルドウェーブを飾れるお部屋の基準

「お部屋の”ココ”に飾りたいけど…」という不安を解消するために、エメラルドウェーブに適した置き場所の条件を整理します。
植物は、置かれた環境に適応する力を持っています。大事なのは、『環境に応じた適切なお世話の仕方』です。逆に言えば、どんなにマメに世話をしても場所が悪ければうまくいきません。
ここでは「光」「風」「温度」の3つの要素から、あなたの部屋にエメラルドウェーブが飾れるかどうかを見ていきましょう。
明るさの基準:明るい日陰かどうか

エメラルドウェーブは、木陰のような柔らかい光が当たる場所を好みます。強い光(直射日光)が当たると葉の色が褪せたり、葉焼けを起こしたりしてしまいます。ベストなのはレースのカーテン越しの柔らかい日光が当たる場所や、午前中だけ日が当たる東向きの部屋です。
ただし、暗い環境にも耐えることが出来るのがこの品種の魅力です。新聞の文字が無理なく読める程度の明るさがあれば、エメラルドウェーブを飾ることが出来ます。
ただ、暗い環境で管理されたエメラルドウェーブは徒長を起こしやすいです。せっかくの可愛らしい樹形が乱れてしまいます。
徒長を起こすような暗い環境に飾っている場合は、1週間のうち数日だけでも明るい場所に移動させて光を当てると良いでしょう。
暗い部屋で健康に育てるには、植物育成ライトの活用が有効な手段のひとつです。
健康に育つだけでなく、ライトアップで見た目もお洒落になる一石二鳥のアイテムです♪
置き場所の基準:エアコンの風が直接当たらないか

室内管理で最も失敗しやすい原因の一つが、エアコンや暖房器具から出る乾燥した風です。エメラルドウェーブの葉は乾燥に強いとはいえ、人工的な風が直接当たり続けると葉の水分が奪われてチリチリになり弱ってしまいます。特に冬場の暖房は湿度が極端に下がるため、エアコンから出る風の通り道を避けて置くことが重要です。
どんな植物も、基本的にはエアコンの風を苦手とします。人間と一緒ですね。
冬場と夏場の室温管理は重要ですが、同時に諸刃の剣でもあります。季節の変わり目は、植物の様子をよく観察してあげてくださいね。
室温の基準:暑すぎる部屋or寒すぎる部屋ではないか

エメラルドウェーブは、シダ植物の中では温度変化に強い植物です。
ですが、真夏と真冬の管理には注意が必要です。
夏に注意したいのは、高い温度から来る高温障害です。葉の色が一部(または全体的に)薄くなったり、暑さで萎れてしまうことがあります。夏の暑い日差しが当たる窓辺、エアコンのついていない密室で良く起こります。エアコンで温度管理をするか、窓から離して出来るだけ涼しい場所で管理しましょう。
また、冬の寒さにも注意が必要です。耐寒性の目安は8℃(最低5℃)。長期間それを下回る場合、冬を越せない可能性があります。玄関や廊下など外気が入りやすい場所は温度変化が激しいため、冬場はリビングなどの人が過ごす暖かい部屋で管理するのが無難です。10℃以上ある部屋が好ましいでしょう。
エメラルドウェーブの不調を表すサインとは
アスプレニウム.jpg)
比較的丈夫で育てやすいエメラルドウェーブですが、自信の体調の変化をSOSとして葉に表します。このサインを見逃さずに初期段階で気づいてあげられれば、枯らしてしまうリスクを減らせます。
ここではよくある不調のパターンとその原因、そして対処法を知ることで「なんとなく調子が悪い」という不安を解消します。
葉の先端が茶色く変色している

アスプレニウムの不調で、最もよくある症状が『葉先の枯れ』です。シダ植物の仲間は特に、葉の先端から不調のサインを表すことがあります。ただし、葉先の枯れにもいくつかパターンがあり、それぞれ考えられる原因も異なります。
原因として考えられるのは、次の3つです。
- “空気中の”乾燥によるもの(湿度不足)
- 根腐れ・根詰まりによるもの
- 直射日光など、葉焼けによるもの
1の乾燥が原因の場合、症状の特徴としては”水分が抜けてチリチリに枯れていること”が挙げられます。ここで大事なのは、『用土の乾燥』と『空気中の乾燥』は意味が異なるということです。
葉先が枯れているからと言って、すぐに用土に水を与えてはいけません。かえって弱らせる可能性があります。葉水や加湿器などを使用して、空気中の湿度を高めてあげることで対策しましょう。
2の根のトラブルが原因の場合、症状の特徴としては”水分を含んで腐ったように枯れること”が挙げられます。葉先が黒っぽく枯れる場合も、この原因が考えられます。
エメラルドウェーブは、水が好きな植物です。ですが、その環境や生育状況に見合わない水の量は根腐れに繋がります。
また、着生植物なので比較的根詰まりには強いですが、健全な生育のためには定期的な植替えが大切です。
3の葉焼けが原因の場合、症状の特徴としては”光が当たった広い部分の色が抜けたり、茶色くカラッと枯れていること”が挙げられます。
シダ植物は本来、優しい光を好む植物です。エメラルドウェーブはシダ植物の中では強い光にも耐えられますが、あまりにも強い光には葉焼けを起こしてしまいます。
特に夏場、窓際の管理は室温の問題も併せて注意が必要です。場所を見直しましょう。
エメラルドウェーブは水はけの良い土を好みます。当店で販売中の”プレミアム用土”がオススメです。 こちら↓の記事で詳しく解説しています。
葉の色が薄い(色が抜けている)
購入時は鮮やかなエメラルドグリーンだったのに、だんだんと色が薄くなって褪せたり、白っぽく抜けたりすることがあります。これは日照不足による光合成の低下か、逆に直射日光による葉焼けや高温障害の初期症状である可能性が高いです。
もし窓から離れた場所に置いているなら、まずは明るい窓辺へ移動させて様子を見てください。逆に直射日光がガンガン当たっている場合は、レースのカーテン越しなど少し遮光した環境に移してあげましょう。
また肥料切れの可能性も考えられますが、まずは置き場所を変えて光の量で改善するかを確認するのが先決です。
葉がひょろひょろ・樹形が崩れている
本来ならシャキッと立つはずのエメラルドウェーブの葉が、なんとなくダランと垂れ下がったり横に広がったりして樹形が乱れることがあります。
これは光を求めて徒長(とちょう)しているサインです。植物は光が足りないと、少しでも光を浴びようとして茎や葉を無理に伸ばしてしまいます。その結果として全体的にヒョロヒョロと頼りない姿になります。
一度徒長してしまった葉は元には戻りませんが、新しい葉を丈夫に育てるためには十分な日光が必要です。徒長が見られたら、まずは明るい場所へ移動させるか植物育成ライトを活用して光量を確保してください。
水やりと湿度管理のコツ

植物を枯らす原因のナンバーワンは「水のやりすぎ」か「やらなすぎ」の両極端です。
特に忙しい毎日の中で「毎週〇曜日に水をやる」と決めてしまうと、天候や気温の変化に対応できず失敗しやすくなります。
水の管理が難しいとされるシダ植物。その中で、エメラルドウェーブはかなり水の管理がしやすい植物だと思います。これから紹介する季節ごとの水やりの目安をヒントに、ご自身の環境での正解を見つけてみてください。
水やり頻度の目安:春~夏
アスプレニウム-1.jpg)
水やりの基本は「土の表面が乾いたらたっぷりと」です。
春から夏の成長期には水切れに注意が必要です。気温が高い状態での水切れは、株に深刻なダメージを与えてしまうことがあります。日当たりが良く元気に成長している株であれば、春は週に1回・夏は週に2~3回がひとつの目安です。
暗い環境で育てており、エメラルドウェーブが「耐えている状態」であれば水やりの頻度を少し減らします。『暗い=成長が鈍い=水を吸い上げる力が弱い』という方程式を、頭の片隅に入れておきましょう。
水やり頻度の目安:秋~冬
アスプレニウム-2.jpg)
秋~冬、気温が下がるにつれてエメラルドウェーブは成長しなくなります。言わば、休眠モードに入るわけです。休眠モードに入った植物は水をあまり吸わなります。
15℃を下回るようになったら、土が乾いてからさらに2〜3日待ってから与える「乾かし気味」の管理に徐々に切り替えましょう。
またエメラルドウェーブは中心の株元に水が溜まるとそこから腐りやすいため、なるべく株元を避けて周りの土に回しかけるのが安全です。
乾燥しやすい部屋での湿度の保ち方

再三お伝えしている通り、空気中の乾燥はエメラルドウェーブを傷める原因になります。特にエアコンを使うリビングは乾燥しやすく、根から水を吸っていても葉から水分が蒸発してカサカサになってしまいます。
これを防ぐためのケアとして最も簡単な方法が「葉水(はみず)」です。1日1回~霧吹きで葉全体にしっとりするくらい水を吹きかけるだけで、乾燥対策だけでなくハダニなどの害虫予防やホコリ落としにもなります。ただし、葉水にも注意点があります。
1つは、葉水での加湿には、同時に空気の循環も必要になるということ。特に夏場は、濡れただけで湿度がこもってしまうと細菌性の病気にかかってしまうことがあります。窓を開ける、サーキュレーター等で風を回すことが大切です。
もう1つは、冬場の葉水は控えることです。人間もそうですが、寒い時に水をかけられると体感温度はもっと下がります。さらに弱らせることに繋がるので、15℃を下回るような気温になれば葉水は控えるようにしましょう。
「霧吹きが面倒だ」という方は、加湿器を稼働するか他の植物と距離を近づけてあげることで多少改善されます。
仕立てで変わる、エメラルドウェーブの魅せ方

エメラルドウェーブの魅力的な樹形は、鉢や仕立て方を変えることでより引き出すことが出来ます。ここでは定番の鉢植えから、少し個性的な飾り方まで、あなたの部屋のテイストに合わせた3つのスタイルをご提案します。
飾り方パターン①:陶器鉢

まずは定番の陶器鉢です。エメラルドウェーブの鮮やかな緑と放射状に広がる樹形は、多くの鉢と親和性が高いと感じます。
黒やダークブラウンなら空間を引き締めるモダンなオブジェに。丸みがあって可愛らしい鉢はもちろん、ワイルドで野性味のある鉢も合います。ご自宅の部屋のスタイルに合わせて、可愛く植え替えてみてください。
こちら↓の記事で、植木鉢の選び方について解説しています。

飾り方パターン②:苔玉仕立て

「良い置き場所が無い」「もっと空間全体に緑を広げたい」
そういう方には、この苔玉仕立てがオススメです。エメラルドウェーブの育てやすさと樹形の美しさを、存分に引き出すことが出来ます。
苔玉については、こちら↓の記事で詳しく解説しています。

飾り方パターン③:板付け

ビカクシダと言う植物をご存じでしょうか。アスプレニウムと同じ”着生シダ”の仲間です。板に着生させ、壁にかけて飾ることで鉢物とは違った雰囲気を醸し出せることで、人気を集めています。
そんな板付けスタイル、エメラルドウェーブの仕立て方としてもオススメです。
本来アスプレニウムは熱帯雨林の樹木に着生して生きる植物なので、木の板やコルク樹皮に水苔で固定して飾るのは最も自然に近い姿と言えます。壁に掛けて飾るため床や棚のスペースを一切取らず、生活動線の邪魔にもなりにくいです。
目線の高さに鮮やかなグリーンが来ることで部屋全体の印象が明るくなり、カフェやギャラリーのような”ちょっとこなれた空間”を演出できます。
水やりは板ごとシャワーをかけるかシンクで水を流すだけなので、見た目よりもずっと簡単なのもポイント。
まとめ

いかがでしたでしょうか。
日本でも古くから馴染みのあるアスプレニウム。中でもエメラルドウェーブは、日本産出で世界に認められた実はすごい品種なんです。
育てやすさ・美しさ、そのバランスが良く、初心者の方にも進んでオススメが出来る植物。初心者以外の方でも、板付けや苔玉など仕立て次第で違った魅力を楽しんでみてもいいかもしれません。
当店でも人気の植物。定期的に入荷しております!
詳しい育て方ガイドを付けて、お届けしていますよ♪。
シダ植物が苦手な方、まずは当店のエメラルドウェーブから始めてみませんか?
この記事を書いた人
小西 大地 | e-花屋さん スタッフ
インテリアグリーンとしてパキラを購入してから、観葉植物に熱中。
植物専用の部屋を作り、自宅では200株近くの植物を育てています。
元々は”いち消費者”だったからこそ分かる視点と、園芸店員としての経験を交えながら分かりやすくお伝えしていきます!
| Q&A |
|---|
はい、エメラルドウェーブは耐陰性があるため、多少暗い場所でも枯れずに耐えることができます。 |
エアコンや暖房器具の乾燥した風は、エメラルドウェーブにとって大敵です。 |
基本的には切っても切らなくても大丈夫です(感染症による葉の枯れの場合はカットした方が良いです)。
見た目が気になる場合は、清潔なハサミで茶色い部分だけをカットして整えてあげましょう。 |












エメラルドウェーブは暗い所でも育てられますか?